ハツラツ HaTsu RaTsu | 日本の軍歌、行進曲を音楽としてたのしむ

雪の進軍


1895年(明治28年)
作詞・作曲:永井建子







〜雪の進軍の歌詞〜
1.
雪の進軍氷を踏んで
どれが河やら道さえ知れず
馬は斃れる捨ててもおけず
ここは何処ぞ皆敵の国
ままよ大胆一服やれば
頼み少なや煙草が二本
2.
焼かぬ乾魚に半煮え飯に
なまじ生命(いのち)のあるそのうちは
こらえ切れない寒さの焚火
煙いはずだよ生木が燻る
渋い顔して功名噺
「すい」というのは梅干一つ
3. 
着の身着のまま気楽な臥所
背嚢枕に外套かぶりゃ
背の温みで雪解けかかる
夜具の黍殻しっぽり濡れて
結びかねたる露営の夢を
月は冷たく顔覗き込む 
4. 
命捧げて出てきた身ゆえ
死ぬる覚悟で吶喊すれど
武運拙く討死にせねば
義理にからめた恤兵真綿
そろりそろりと頚締めかかる
どうせ生かして還さぬ積り


〜歌詞のふりがな〜
1.
ゆきのしんぐん こおりをふんで
これがかわやら みちさえしれず
うまはたおれる すててもおけず
ここはいずくぞ みなてきのくに
ままよだいたん いっぷくやれば
たのみすくなや たばこがにほん
2.
やかぬひものに はんにえめしに
なまじいのちの あるそのうちは
こらえきれない さむさのたきび
けむいはずだよ なまきがいぶる
しぶいかおして こうみょうばなし
「すい」というのは うめぼしひとつ
3.
きのみきのまま きらくなふしど
はいのうまくらに がいとうがぶりゃ
せなのぬくみで ゆきとけかかる
やぐのきびから しっぽりぬれて
むすびかねたる ろえいのゆめを
つきはつめたく かおのぞきこむ
4.
いのちささげて でてきたみゆえ
しぬるかくごで とっかんすれど
ぶうんつたなく うちじにせねば
ぎりにからめた じっぺいまわた
そろりそろりと くびしめかかる
どうせいかして かえさぬつもり


日清戦争に第2軍司令部付軍楽隊員として従軍した永井建子が威海衛の戦いで陸戦や海戦を見聞し軍人の内面的生活に触れて、明治28年1月に作曲したもので、 日本軍による公式な軍歌ではない。
しかし、この歌は長らく将兵に愛されていたため、広く知られている。 陸軍大将大山巌元帥(日清戦争時の第2軍司令官)もその1人で、病床についてもなお臨終の最後までこの歌を聴いていたという逸話があるほどである。
しかし、悲痛な歌詞の通り、「勇壮でない」という理由から支那事変の頃には軍司令部からは歌の最後を「どうせ生きては還らぬ積もり」に改訂させられ、 大東亜戦争突入後は歌唱禁止となるが、あくまで建前なので終戦まで歌われることはあったという。
最近では、アニメ『ガールズパンツァー』(ガルパン)で歌われたことから有明になりつつあるようである。 雪の日に散歩しながら口ずさむと、たしかにつらい中でも快活な気分になる曲である。




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